プラハ旅行、4日目12月21日。
((パノラマ画像はクリックで拡大できます))
今日もまた、昨日のように底冷えする朝でした。パラパラと雨も降ってきたので、しっかり着込んで出発。そしてまたまたいつもの出発駅からトラムに乗って「プラハ城」のほうへ。寒さと坂のせいか、腰が痛くて、咳をすると腹筋周辺に痛みが...。
この日は「第1の中庭」へ向かうため、22番線に乗っていったのですが、旧市街方面から橋をわたってカーブをするところで、トラムから、階段と男性達の像のオブジェ「Memorial to the victims of Communism」が見えました。こんなに近くにあるのね。ここはまた帰りに立ち寄ることにして、Malostranské náměstí駅で下車。先に「マラー・ストラナのミクラーシュ教会」を見学する予定だったのですが、まだ開いてなかったので、先日歩いたジンジャーブレッドミュージアムなどがある通りを抜けて「第1の中庭」へ。ここはざっと見るだけで、また別のところへ異動。
あ、あと、たしか2日目にプラハ城ヘ上がるときだったかの、車内から、レトナー公園の高台に建っていたスターリン像跡に建てた巨大なメトロノームのオブジェも見えました。ちょっと行きたかった...
それから、「ストラホフ修道院の図書館」へ行くために、「第1の中庭」の門からちょうど正面にのびる道をずーっとずーっと歩いて行きます。課外授業の小学生の団体と、わたしらみたいなもの好きな観光客しかおらん...
そんな道中でポスターがたくさん貼ってある一角があり、そこに「共産主義ミュージアム」のポスターがありました。モスクワオリンピックのマスコットだった"こぐまのミーシャ"が懐かしい、キン肉マンも思い出す(初期のキン肉マンにネタがあったの)。たしか、ミュシャ美術館のそばにあったはずだからいってみたいな〜と思っていたのですが、疲労ですっかり忘れたまま帰国してしまいました。凶悪マトリョーシカのグッズが欲しかったな....
少し緩やかとはいえ坂は坂、朝から腰をピリピリさせながら歩いて行くと、時計のついた学校のような建物が見え、その正面に入り口らしい門とぼちぼちと観光客の姿が...「ストラホフ修道院」に到着です。
中へ入るとちょっとした無料で見れる展示物やお土産が並ぶロビーになっていて、メインの書庫へはおみやげカウンター内にいるおばちゃんに割と高めの入場料を払わないと入れなくなっています。写真をとるのも有料です。(しかしピンボケ写真ばかり撮ってきてしまったのであった)
ここは美しい天井画で有名な図書館なのですが、想像していたより小さいく狭いところだなーという印象。本が所蔵されている部屋の入り口にはロープが張ってあり、入れなくなっています。それよりも廊下の展示物に、明治時代頃の日本の仏像や象牙や陶器の置物が置いてあったことに驚きでした。
その他、廊下には海洋生物などの標本も並んでいたので、興味のある方はぜひ。
そして「ペトシーンの丘」へ行くために今度は景色を見ながら下り坂を降りて行くはずなのですが、下り坂が続くばっかりで本当に腰がしんどい...たしか丘へ行けばケーブルカーがあるはずなんだが....。
ブドウ畑が並ぶ緑豊かな丘です。暖かい季節だったらもっと綺麗でしょうね。
しばらく歩いていると、見慣れた場所にたどり着きました。「カレル橋」のそばです。あれ?丘は?
そこから、ようやく「聖ミクラーシュ教会」の中へ。今までの長い坂道のルートは、"図書館から下ってすぐのところ!"という、ペトシーンの丘へ行くより、図書館から寄り道せずにミクラーシュ教会へ行くことを目的とした母の計画でした。早く言ってよ、わしの腰の痛みをどうしてくれるの...
ここは二階建てになっていて、母が見たかったのは、二階にある絵画と、モーツァルトが使用したという装飾過多なオルガン。有名人が使っただけで名所がプラスに。うーむ。
こちらの教会もフレスコの天井画があったり、ピンクの大理石や金が贅沢に使われていたりして豪華でしたよ。
今日もまた「カレル橋」で母が写真を撮っているのを横目に周囲を見渡していると、橋に入ってすぐ右手に「カレル・ゼマン博物館」の看板を発見。地図で見るとすごくわかりづらそうなところにあるのに、こ んなにあっさり見つかるとは...。ちょうど橋から下へ下りる小さな階段があったので、そこから降りて見に行くことに。http://www.muzeumkarlazemana.cz/en
カレル・ゼマンはオーストリア出身のチェコ国籍の映画監督で、多くの特撮映画やアニメーションを手がけた方です。
館内の半分は、使用した道具の展示やビデオ上映などのゾーンで、もう半分は特撮技術を学びながら体験できるゾーンになっていて、小さな子供を連れた親子や、レポート用紙片手に楽しそうに遊ぶ中高生くらいの子供達でいっぱいでした。
こちらのお土産コーナーも充実しており、DVDやTシャツやトートバッグなどのグッズも豊富に扱っていましたよ。
遊べる博物館なので、お子様連れの方にオススメです。タブレットを使用した日本語ガイドもありましたよ。
「カレル・ゼマン博物館」からちょっと歩いてみるかと、下りてきた階段から右手に向かって歩ちょっと歩くとまたひとだかりが。ラクガキでびっしりの壁が... これがジョン・レノン追悼のラクガキをしただけで名所になった「ジョン・レノンの壁」なのね。
母と同じくらいの年齢のイタリア人団体客達がガイドの説明を受け ていたり、孫らしき少年にジョンの説明をする女性や、ラクガキをはじめる若い女性、写真を撮るカップルなどでにぎわっていました。落書きは上書きに上書きを重ね、大変なことになってます。
この写真はパノラマなのでだいぶ曲がっていて、長そうに見えますが、数メートルほどの決められたスペースだけが落書きだらけになっています。
そこからまた右手正面に人だかりが。なんだろう?と行ってみると、「水車と河童像」のある川の橋の上でした。ここも名所です。橋の手すりには、よくある観光地の恋愛祈願の名所らしく、色とりどりの錠前がぎっしりと繋がれていました。
狭くて小さな橋なので、立ち止まっているわけにはいかず、さっと写真を撮って次へ。もしかしたら...と、南へ向かって歩くと、案の定、もう「カンパ広場」です。
こちらは人がまばらでしたが、「ジャイアントベイビー」の像の前では3組くらいの家族連れの観光客の姿が。
雨降る中、つるつる滑る赤ちゃんの上によじ上って写真をポーズをとる少女。たくましい。
おなかがすいたので、ベビーの像から川沿いにカフェレストランがあったのでそこで昼食をとることに。4日目にして今旅初のチェコ料理です。
おなかもあまりすいていないし、寒いし、ということで、母はカプチーノと牛のスープとアップルパイ。わたしは豆のスープとホットジンジャーとメドゥニークというケーキ。そして先日から気になっていた鯉の料理があったのでそれを注文することに。
チェ コはクリスマスになると鯉をフライにして食べるようで、生きた鯉を買ってきてお風呂などに水を貼って泥を吐かせるために、クリスマスの一週間くらい前から 町中に鯉の生け簀のある魚屋さんの屋台で購入して準備するそうです(母情報)。
2日くらい前に鯉の屋台を発見してから、気になっていたのです。私の出身の東京は鯉を食べる 風習がないので食べたことがありません。鯉と言ったら錦鯉などの観賞用のイメージだけ。人生初の鯉食がまさかプラハでなんて思いもよらぬことです。
出てきたホットジンジャーは厚切りのショウガのスライスがのこれでもか!と入っていてびっくり。
そしてもうひとつ、豆のスープなのですが、見た目ものすごいシンプルでしょ?しかし、しっかりしているけどクセの無いなめらかな豆の味に、焼いたベーコンの香ばしい隠し味が効いてほんとうにおいしいのですよ。手頃価格の昼用のコース料理もあったのでそっちを頼めばよかったと思いつつ、鯉料理や母が頼んだ牛のスープを写真に撮ってくるのを忘れてしまった...。
おなかもあったまってきたところで、おまちかねの鯉の登場です。メニューにカナッペと書いてあったので想像はついていたのですが、生の鯉が出てきましたよ。小鉢からスプーンで鯉をすくってパンにのせ、おそるおそ る口へはこんでみると、川魚特有の臭みなどは全くなく、ネギやハーブなどで上品に仕上げられていました。
食用の鯉は泥臭くて固くてマズイと聞いていたのであまり期待はしていなかったのですが、これにはびっくり。味も見た目も日本の魚のたたきにちかいかも? カリッと焼いた小さなパンもたくさんつ いてきていたのですが、残すこと無く美味しくたいらげました。この店は若い店員さん達で切り盛りされていましたが、腕の良い料理人がいるのでしょうね。チップもはずんでしまいました。
ちなみに、このレストランのテラスには黄色いペンギンのオブジェが設置されています。
体もじゅうぶんに温まったのち、「カンパ美術館」へ。
カフェからすぐの入り口をくぐると、トリップアドバイザーなどで観光ポイントとして紹介されていた、赤い馬と腕の長い男の像や、横になる女の像、などの彫刻の数々が、そこそこの広さの庭に大集合。もっとあちこちにあるのかと思っていたので、すこし拍子抜け。
中に入ってチケットを買おうとすると、学芸員のおばさんから「外のチケットオフィスで買ってね。」との指示が。そうか、さっき入ってきたところはメインの入り口ではないのか。失礼しました。
チケットオフィスで常設展のチケットを購入。もう一度おばさんのところへいくと、笑顔で迎えてくれました。民家を改装して作られた美術館なので、狭いのですが、絵以外にも鉄の作品なども多く常設されていてなかなか見ごたえがありました。
美術館を出て、元来た階段のオブジェちかくのトラム駅へ戻ります。こんどは「勝利の聖母教会」の見学。
クリスマス前なので教会の入り口と中には、キリスト誕生とお祝いのお話のシーンを再現した可愛いイラストのパネルが並んでいました。
中央祭壇右手には、歴代のアドベントと、赤ちゃんのキリスト像に着せるおくるみが展示されている小さなへやがあります。岩手遠野伝承園のオシラサマを思い出してゾッとするわたし。(子供の頃のトラウマ)
そこから歩いて午前中トラムから見えた階段の人の像「Memorial to the victims of Communism」のところへ。雨はすっかりやんでいました。
写真で見ると対したことなさそうな階段ですが、実際行ってみると、大きくて急な階段になっていました。像の男達も前に倒れるように傾いています、数段のぼってみたのですが、なかなかしんどくて、降りる際につい、像の手を握って支えにしてしまいました。
それと、温暖化のせいか、それとも早咲きの種類なのか、桜がちょろっと咲いていました。
橋を渡って「スメタナ博物館」へ。
展示室は二階です。ラミネートされた日本語の解説用紙もありました。
こちらもあっというまに見て回れるほどのせまい博物館でしたが、なかなかたのしめました。窓からの景色もよかったですよ。
この博物館でも、白髪のお婆さん達が常駐していたのだけど、チェコの美術館や博物館では、老人の学芸員しか見なかった気が...なんでだろう....。
柳が覆いかぶさり、邪魔そうな顔のスメタナ像は、観光客に大人気。なぜか若い男の子たちがこぞってツーショット写真を撮っていました。なにがあったんだろう。
我々も観光客らしく、スメタナ像と母のツーショット写真を撮り、またまた旧市街広場のほうへ歩き、今度は「天文時計の展望台」へ昇ります。
ちなみにこちらは、初日の夕方に撮った、ヴァルタヴァ川(モルダウ川)とスメタナミュージアムが写っている写真です。
「天文時計の展望台」では、1 階の入り口にガラス張りのエレベーターがあったので、これに乗って直接チケットオフィスへ行こう。ということで乗ったのですが、上昇するエレベーターから みえるのは、1階階段の途中から3階にあるチケットオフィスまでのびる長蛇の列...。これはいかんとまたエレベータに乗り1階へ戻って列に並ぶ。30分 くらい並び、ようやくチケットを買って展望台への階段へ向かいます。
展望台へはSFちっくなガラス張りの丸いエレベーターでも上がることができますが、私達は階段でのぼることに。
こちらの階段はわりと緩やか。
到着すると、やっぱり人でいっぱい。外に出てバルコニーをぐるっと一周して景色を楽しむことができるのですが、ここもぎゅうぎゅう詰めでした。しかしやはりすばらしい景色が望めますので、オススメです。
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☆プラハのクリスマスマーケット☆
広場があれば、そこで屋台を並べる~という雰囲気で、毎日朝早くから夜遅くまで、プラハのあちこちでクリスマスマーケットが開かれていました。
クリスマスの伝統的な飾りやジンジャーブレッド、お土産、ホットドッグや子豚の丸焼き、などの屋台にホットワインなどなど、どこへ行っても必ずこれらのお祭り屋台が並んでいました。すこし広いとこ ろでは、ロバやヤギなどの動物にエサを与えられるコーナーがあったり、中世の楽器を演奏する若いバンドマン達や、大道芸人、ステージでコンサートがあったりと、とてもにぎやかです。
兄一家がイタリアにいた頃、現地の友人から「プラハはヨーロッパの人たちがクリスマスシーズンに行く定番の観光地」と聞いていたらしく、そして実際に行っ てきた土産話を聞いた母が、ずっと行来たがっていたのが、この旅行の発端の一つだったりします。
日本ではドイツのクリスマスマーケットのほうが有名で、クリスマスマーケットの情報や報道もほぼドイツのものしかありませんが、ヨーロッパではチェコのプラハが定番~ということなのでしょうかね?
それと、前年度がどうだったのかわかりかねますが、旧市街広場のクリスマスマーケットには、チェコを代表する漫画家、ヨゼフ・ラダ(日本でいうのらくろの田河水泡に近いかも)の、たのしい絵があちこちに描かれており、中心に立つ巨大なクリスマスツリーにも、かわいらしい猫やヤギのオーナメントが飾られていました。
ちょっとずれたへたっぴ写真になってしまいましたが、こちらはイベントステージ。イラストがふんだんに使用されていて、とても楽しげです。
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旧市街広場へ降りて、またぶらり。アジア美術館の入り口に、カフカの父が働いていた店の碑と、女性初のノーベル賞受賞者の記念碑があったり、なにやら地味なスポットに目がいく日です。
そろそろ夕食の時間になってきたので、てくてく歩いて、5時半頃にスメタナホール地下のビアホール、「プルゼニュスカー・レスタウラツェ」へ。
完全に旅行者向けのレストランという雰囲気で、店内は6組ほどの観光客がいました。そして、そのうち私達を含む4組ほどが日本からの旅行者らしき人々。
メニューは写真付きで、日本語も書かれており、店員さんも接客の日本語ができます。
まずはおなじみチェコビール。私は呑めないのですが、記念に注文。
写真奥のお皿は、煮込んだお肉にチェコ名物の茹でパン「クネドリーキ」を添えたチェコ料理の定番メニュー。クネドリーキはしっかりした蒸しパンみたいで美味しかったです。
黒いホーローのスープ皿に入っているのは牛テールのスープだったかな?、サラダはこれでもかというくらいの量で出てきました、外国でサラダを頼むといつもこんな感じですよね。白菜っぽいのが入っていたのだけど、白菜なのかな?
観光客向けを押しているレストランは当たり外れの差が激しいのですが、ここはなかなかよかったです。ごちそうさま。
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明日は「旧市街広場の美術館」「ミュシャ美術館」や、「国民劇場」でバレェ観劇などをします。